2017年03月29日

ツインクエーサー:深宇宙からの光

クエーサーというのは、ものすごく遠方にある、恒星のように見える天体のことです。その正体ははっきりとは分かっていません。


どのくらい遠いのか
下はツインクエーサー周辺の写真です。


246216786_org.jpg

写真に写っている星はほぼ全て我々の銀河系内の恒星。前の記事に載せた、あの渦巻のなかの一粒です。銀河系の直径は約10万光年ありますので、この写真に写ってる星も遠くて数万光年の距離といったところでしょうか。光の速さでも10万年…銀河系とはとてつもなく巨大なものですね。


右側にNGC3079という銀河が見えていますが、これになるとぐっと桁が上がって約5000万光年離れたところにあります。銀河系を500個並べた距離、恐ろしく遠い感じです。銀河系の恒星をちりばめたのレースのカーテン越しに、遥か遠くの銀河を見ていることになります。


それはすなわち、この写真に写っているNGC3079の姿は5000万年前のものということです。恐竜が絶滅したのが約6500万年前ですから、それよりいくらかあとの時代。


そして写真の左上の方にそのツインクエーサーがあります。

246216716_org.jpg

拡大図。丸で囲った部分がツインクエーサーです。小さい星が2つ並んでいるな、という風にしか見えませんが、これは恒星ではありません。


この小さな光、なんと91億年前の光です。


先程の5000万光年の、さらに180倍。


太陽と地球が誕生したのが約46億年前と言われているので、それより倍近く前ということになります。


地球が生まれる前の光。この光が放たれた頃には、将来太陽系ができる場所にはただガスが漂っていただけかも知れません。



このクエーサー、2つ見えていますがどちらも同じものと言われています。つまり1つしかないものが2つに分かれて見えているということです。


これは重力レンズ効果と呼ばれるものの実例で、写真では見えませんがクエーサーの手前に暗い銀河があり、その銀河の重力により空間が曲がっているため、そこを通る光も曲げられて本来とは異なる姿に映っている状態です。


市販の望遠鏡でもこんな深宇宙の様子が撮れるんですね。
今回のタイトル、なんかラブクラフトの小説ぽいな。
posted by Northerncross at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 天体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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